DIY Audio Build: SURGEON 25 (Part 3) - ミッドサイド処理、最初の大きなミスから学ぶ、必然としての学習
- Eitan Brown

- 4 日前
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ミッドサイド実装とリレー制御
Part 3 では、Part 2 で扱ったコア回路の理解を踏まえ、ミッドサイド機能をどのようにシステムへ組み込んだかを扱います。この過程で、私はこのプロジェクトで最初の大きなミスを経験しました。そのミスはビルドの方向性を変え、単なる組み立てを超えて新しいスキルを身につける必要があることをはっきりと示しました。
以下では、ミッドサイドを信号経路へどのように組み込んだか、そしてそのミスがどのようにして初めての回路設計と PCB 設計へとつながったかを説明します。
ミッドサイド処理の背景と考え方
ミッドサイド処理は、ステレオ信号を「左右」ではなく、「共通成分(ミッド)」と「差分成分(サイド)」として扱う方法です。サム・ディファレンス処理と呼ばれることもあります。

マスタリングでは、これによってステレオイメージへの別のアプローチが可能になります。センター成分だけを調整したり、全体のバランスを崩さずに広がりを微調整したりすることができます。ミッドサイドに馴染みがない場合は、画像の前景と背景を分けてそれぞれを調整するようなものと考えると分かりやすいかもしれません。完全な例えではありませんが、ミッドサイドの考え方を説明するには近い感覚です。

この EQ では、ミッドサイドは必要なときに使えるオプションとして位置づけました。通常のステレオモードでは左右チャンネルとして動作し、ミッドサイドを有効にすると、同じ 2 チャンネルがミッドとサイドを処理し、最終段で再び左右に戻されます。信号経路はすべてアナログで構成されています。

KA Electronics の MS 基板
ミッドサイドのエンコード/デコードには、KA Electronics の MS Mini 基板を選びました。KA には、シンプルなエンコーダー/デコーダーから、エンコードとデコードを独立制御できる上位基板まで、いくつかの選択肢があります。上位基板は、外部からミッドサイド信号を受けたり、ミッドサイド出力を想定する場合には有用です。
今回の EQ では、左右をミッド/サイドに変換し、処理して戻すという基本的な機能だけが必要でした。MS Mini はその目的に合った、シンプルでコストも抑えられる選択肢でした。

一方で、その基板をどのように回路へ組み込み、オン/オフを切り替えるかについては、当初の考えが不十分でした。私は、MS 基板を I/O と EQ の間に置き、バイパススイッチで切り替えられると考えていました。
この点については Uroš が誤りを指摘し、ステレオとミッドサイドを切り替えるには、EQ の前後で複数のバランス信号を同時に切り替える必要があることを教えてくれました。

実際には、次の 4 つの信号経路を同時に切り替える必要があります。
入力信号を EQ に直接送るか、MS エンコーダーへ送るか
EQ の入力を、元の入力かエンコーダー出力のどちらにするか
EQ の出力を、直接出力へ送るか、MS デコーダーへ送るか
出力段で、EQ 出力かデコーダー出力を選択するか
これらは左右チャンネル同時に動作し、フロントパネルの 1 つのトグルスイッチで制御されます。

リレー切替基板が必要になった理由
信号の切替条件が明確になった時点で、MS Mini 基板はすでに組み立てていました。そこで、上位基板へ切り替える代わりに、不足している部分を自分で設計することにしました。必要だったのは、確実で予測可能な切替を行うリレー式のスイッチング回路です。

リレーは実用的な選択でした。音声信号の切替を基板近くで行い、フロントパネル側は単純な制御に留めることで、配線の複雑化を避けることができました。
このリレー切替回路は、MS エンコーダー、EQ 回路、出力段をつなぐ役割を担い、このプロジェクトで初めて自分が設計する回路基板となりました。
リレー切替基板の設計と製作
それまで私は、回路図を読み、他人が設計した PCB を組み立てる経験はありましたが、自分で回路図を設計したことはありませんでした。そこで、無料で使えるオープンソースの設計ツールである KiCad を使い、試行錯誤しながら学び始めました。

作業は何度も見直しを重ねる形で進みました。考えていた信号の流れを回路図に落とし込み、理解が深まるたびに修正し、それを現実的な PCB レイアウトへと変えていきました。

最終的に設計がまとまり、基板を製作に出しました。基板の色は赤にしました。……赤がいいかな、と思っただけです。この基板は、自分にとって初めてのオリジナル PCB であり、このプロジェクトが単なる組み立て作業の域を越えていったことを、はっきりと示す存在になりました。


振り返ってみると、リレーを内蔵した KA Electronics の上位基板を使っていれば、作業はもっとシンプルだったと思います。それでも、自分でリレー基板を設計・製作したことで、回路設計や PCB レイアウトを学び、システム全体のつながりをより深く理解することができました。このプロジェクトは、私にとって大きな学びの経験でした。

ミッドサイドの仕組みが整ったことで、次に焦点が移るのは、ミスが許されない領域です。




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